活性酸素について
非共有電子(電子対を持たない)を有する分子をフリーラジカルと言い、エネルギーレベルが非常に高く、酸素と急速に反応し、活性酸素種(eactive oxygen species:ROS)を形成します。つまり細胞にダメージを与える酸化された酸素のことです。
酸化力を有する酸素が、比較的容易に電子を受けてスーパーオキシドを生成し、さらに酸化が進むと過酸化水素、ヒドロキシルラジカルを経て、最終的に水になるというものです。この一連の反応を酸化還元反応と呼んでおり、正常な酸化還元反応において発生したスーパーオキシドは少量であり、通常は抗酸化酵素の一種であるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)により速やかに分解・消去されます。
しかし紫外線の曝露などによりスーパーオキシドを含む活性酸素種が過剰に産生され、SODによる分解・消去が追いつかず、過酸化水素に変化した場合は、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼ(CAT)、グルタチオンの存在下でグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)により水に分解されますが、紫外線の曝露時間やスーパーオキシドの発生量によっては過酸化水素を経てヒドロキシルラジカルまで変化します。
発生したヒドロキシルラジカルは、酸化ストレス障害として過酸化脂質の発生、コラーゲン分解酵素であるMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)の発現増加によるコラーゲン減少、DNA障害や細胞死などを引き起こし、中長期的にこれらの酸化ストレス障害を繰り返すことで光老化を促進します