尋常性痤瘡治療ガイドライン
推奨度A;行うよう強く推奨する
推奨度B;行うよう推奨する
推奨度C1;一つの選択肢として推奨する(保険適応外の為)
急性炎症期の治療(推奨度A)
①BPO 2.5%外用のみ
②アダパレン 0.1%外用のみ
③CLDMまたはNDFX(抗菌薬)1%外用のみ
薬剤耐性Propionibacterium acnesの検出率は次第に高くなっており、2008〜2011 年に行った調査では20%と高率であり、抗菌薬はできるだけ温存しておきたいところです。
④CLDM/BPO配合剤外用
⑤抗菌薬(MINOやCLDMなど)内服
薬剤耐性Propionibacterium acnesの検出率は次第に高くなっており、2008〜2011 年に行った調査では20%と高率であり、抗菌薬はできるだけ温存しておきたいところです。
⑥アダパレン 0.1%外用+抗菌薬外用
⑦アダパレン 0.1%外用+抗菌薬内服
急性炎症期の治療(推奨度B)
①BPO/アダパレン配合剤外用
急性炎症期の治療(推奨度C1)
保険適応外の治療なのでC1とされているが効果は十分期待できます。
①面皰圧出法
②ケミカルピーリング
外用剤を皮膚に塗布し化学変性による皮膚剥離と創傷治癒機転による表皮と真皮の再構築を促し、皮膚疾患の改善と若返り効果をもたらす治療です。
③AZA(アゼライン酸)外用
小麦やライ麦などの穀物や酵母に含まれる飽和ジカルボン酸です。アゼライン酸(15〜20%)は、ニキビができる原因を抑制します。具体的には①皮脂分泌抑制②静菌効果③角化抑制④美白効果があります。
非炎症性皮疹と炎症性皮疹の両者に対する有効性が期待できます。ニキビの原因とされる毛包角化異常を抑制したり、アクネ菌の増殖抑制効果もあることからニキビの初期治療として、さらにチロシナーゼ活性阻害作用があるためニキビ痕の色素沈着を抑制する働きもあるためニキビの治療の最初から最後まで使用できます。
レチノイドによるピーリングや紅斑などの副作用とは異なるため、レチノイドの副作用が気になる方、妊婦の方(レチノイド使えないため)でも安心して使用できます。
④ビタミンC外用
最近ではビタミンC誘導体の安定化した両親媒性ビタミンC誘導体(カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸)なども報告されています。従来のビタミンC誘導体(AsA)の2位の水酸基にグリセリン、3位の水酸基にオクタノールを結合させることで従来の不安定な両親媒性ビタミンC誘導体の安定性化を成功させています。このオクタノール基により、アクネ菌に対する抗菌効果が報告されています。
⑤イオン導入
イオン導入は微弱な電流によって物質を経皮的に生体内の深部に浸透させる方法です。ニキビは毛包性疾患であるので、電気によって毛穴から製剤を毛包内に浸透させるイオン導入は有効です。特に脂溶性物質は吸収に適しています。痛みは原則なくエステ感覚で受けることができます。入れる製剤によって付加効果が変わってきます。※電流を扱うのでペースメーカーが体内に入っている方はできません。
維持期(予防)の治療
維持期(予防)の治療(推奨度A)
①BPO 2.5%外用のみ
②アダパレン 0.1%外用のみ
維持期(予防)の治療(推奨度B)
①BPO/アダパレン配合剤外用
維持期(予防)の治療(推奨度C1)
保険適応外の治療なのでC1とされているが効果は十分期待できます。
①ケミカルピーリング
②AZA(アゼライン酸)外用
③イオン導入
④ビタミンC外用
自宅でのスキンケア
ノンコメドジェニックの製品を選ぶ
ニキビ用化粧品では、アクネ菌に対する殺菌効果や患部への抗炎症効果によるアプローチが主流とされています。ただ、それを目的として発売されたニキビ用化粧品に、アクネ菌を増殖させてしまう成分が含まれていることがあります。サティス製薬ではアクネ菌を増殖させやすい化粧品の成分について下記を報告していました。グリセリン、D(+)グルコース、D-ソルビトールは高い資化性を示し、特にグリセリンは通常の増加率よりも約4倍の増殖を示しました。
やさしく!こすらない!すすぎすぎない!
クレンジングはたっぷりした量を肌に優しくなじませ、優しく数回洗い流します。洗顔はよく泡立てた石鹸で手のひら全体で泡を転がすように顔全体に優しくなじませます。すすぎは手のひら全体にぬるま湯をため、顔全体にぬるま湯をさっとかけるように流し、泡がなくなったら終了とします。すすぎ回数は10回程度でいいです。保湿については化粧水は手のひら全体を使用して、顔全体に優しくなじませるように塗ります。強くこすりつけたり押し込んだりしないようにしてください。乳液や美容液、クリームはニキビを避けて乾燥している部分に使用してください。