ピーリング

ミラノリピール(BioRePeel)

トリクロロ酢酸とサリチル酸配合のピーリング剤

BioRePeelとは

Biostimulation  Revaitalization Peeling のことです。

ミラノリピールは、 イタリア製のピーリング剤で真皮のリモデリングに重要なTCA、角質層のピーリング効果のあるサリチル酸などを含めた5種類の酸から構成されるピーリング剤です。さらにこれら酸のピーリング効果に加えて、アミノ酸やビタミンが配合されています。アミノ酸については、角質水分量を保持しているものに天然保湿因子というものがあり、その40%がアミノ酸と言われているが、BioRePeelでは30%配合されています。ビタミンも配合されているためコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸産生促進を促します。これにより、肌の張り・弾力の改善、しわ予防、肌荒れ・ニキビ対策が期待できます。

ミラノリピールはTCAの濃度が35%と50%を用意していて、フェイス用は35%、ボディー用は50%と使い分けています。ボディ用では体で気になる部分の黒ずみや色素沈着の治療として行うことが多いです。

配合成分

ピーリング成分

皮膚の角質剥離・溶解を行い、肌の再生、黒ずみや毛穴の開きを改善します。

トリクロロ酢酸(TCA)

TCA35%はmedium depth、つまり表皮全層と真皮乳頭層レベルまでが剥離範囲となります。真皮のリモデリングに関与するためrejuvenationが期待できます。

引用;エビデンスに基づく美容皮膚科医療.2019;vol1.159:247

引用;大塚 藤男.皮膚科学.2016:vol.10:4:968

酒石酸:<AHA(α-ヒドロキシ酸)>

クエン酸:<AHA(α-ヒドロキシ酸)>

グリコール酸に代表されるα-ヒドロキシ酸(AHA)の一種でpHを弱酸性に保つこと、コルネオデスモソームの溶解作用でピーリング効果を出します。

サリチル酸(SA):<BHA(βヒドロキシ酸)>

殺菌作用と角栓溶解作用があり、ニキビの治療に有効です。

ラクトビオン酸(LacA)

皮膚を弱酸性に保つことで炎症性サイトカイン(IL-33、IL-1β、Th2、IL-4)やコラーゲンの分解に関与するMMP-9、および Th2 細胞から分泌され、かゆみに関連するIL-31の有意な減少が確認されています。

引用;アトピー性皮膚炎における皮膚pHと皮膚バリアとの関連性に関する研究

アミノ酸

アルギニン

角層水分量増加による保湿作用を示します。角質水分量を保持しているものに天然保湿因子が関与していて、その40%がアミノ酸と言われています。

アルギニンは10%を占めています。

グリシン

角層水分量増加による保湿作用を示します。角質水分量を保持しているものに天然保湿因子が関与していて、その40%がアミノ酸と言われています。

グリシンは15%を占めています。

プロリン

角層水分量増加による保湿作用を示します。角質水分量を保持しているものに天然保湿因子が関与していて、その40%がアミノ酸と言われています。

プロリンは6%を占めています。

ヒドロキシプロリン

コラーゲンの構成成分として10%以上を占めています。

γ-アミノ酪酸 (GABA)

γ-アミノ酪酸は、真皮の線維芽細胞に存在が確認されており、ヒアルロン酸の産生を促進することが報告されています。

引用;伊藤 賢一(2006)「GABA合成酵素(GAD)を活性化するビルベリーエキスの抗老化作用」Fragrance Journal(34)(8),48-53.

ビタミン

ビタミンC

皮膚において抗酸化作用、メラニンの産生抑制、コラーゲンやヒアルロン酸の合成などが期待されます。

ビタミンB2(リボフラビン)

リボフラビンは体内でFADとして酸化還元反応に関与しています。

 

まとめ

BioRePeel、通称ミラノリピールはTCAが35%配合されており肌の張りやキメの荒さを改善するrejuvenation 効果が期待できます。

ピーリング剤にはβヒドロキシ酸であるサリチル酸による殺菌・角栓溶解作用によるニキビ予防や肌荒れ対策が行われ、αヒドロキシ酸である酒石酸やクエン酸による角質層のピーリング効果、皮膚を弱酸性に保つ効果、ラクトビオン酸による皮膚炎・コラーゲン分解予防など多様な効果を発揮します。

アミノ酸が配合されていることで、角質水分量増加にとても重要な天然保湿因子の75%分に相当する量投与できることになります。

以上のことからピーリングによる皮膚トラブルの治療・予防に加えて、肌の弾力性向上が期待できます。そして保湿も同時に行われることで刺激感を限りなく減らすことができます。