CoQ10(ユビキノン)
CoQ10(ユビキノン)は全細胞のミトコンドリア内および血液中に存在していて、エネルギー産生過程の触媒として利用されます。それ以外に抗酸化作用としの働きもしています。
①抗酸化作用
ユビキノンが表皮において抗酸化作用を発揮するためには、還元型のユビキノールに変換される必要がありますが、表皮には比較的高レベルのNADPHがありユビキノンを還元型であるユビキノールに変換していると考えられています。
②脂質の過酸化抑制
ユビキノンは抗酸化物質としての役割も有しており、還元型であるユビキノールがミトコンドリアにおいて紫外線照射による脂質の過酸化を抑制することが示されています。
③ビタミンEの再活性化
また、ビタミンC、ビタミンEとともに脂質の過酸化を抑制しますが、皮膚や血管内でビタミンCやビタミンEと還元型ユビキノン(ユビキノール)が共存している場合は、ビタミンCはビタミンEを還元し、ユビキノールがビタミンEを還元するため、ビタミンC、ユビキノール、ビタミンEの順番に減少すると言われています。
引用;山本 順寛(2015)「抗酸化作用」コエンザイムQ10の基礎と応用,25-40.
化粧品としての効果
分子量は(1000>)863(>500)であり通常のスキンケア化粧品に含まれていた場合は容易には浸透しません。化粧品に配合される場合に期待されるもう一つの効果はグルタチオン減少抑制による抗酸化作用です。
化粧品に配合される場合も内服と同様に脂質の過酸化を抑制することを目的とされます。しかし分子量がやや大きいことから一般的なスキンケアでは十分な浸透が難しいです。イオン導入を使用しない場合はマイクロエマルジョン化など皮膚浸透技術で配合されています。
引用; Investigation of ex vivo Skin Penetration of Coenzyme Q10 from Microemulsions and Hydrophilic Cream