グリコール酸

グリコール酸

グリコール酸

一般的に化粧品に使用されるグリコール酸の濃度は3.6%以下およびpH3.8-4.0が多いです。理由はこれらの濃度範囲内であれば皮膚刺激性は、軽度か刺激なしの可能性が高いからと言われています。改めてグリコール酸についてと適正な濃度がどれくらいなのかについて調べました。

グリコール酸の効能

①皮膚pHを弱酸性に保つ
皮膚はpH4〜6.5の弱酸性に保たれています。もしアルカリに偏ってしまうと皮膚バリア機能が低下しニキビなどの肌荒れ、炎症を起こしやすくなります。AHA(αヒドロキシ酸)の一種であるグリコール酸が含まれている化粧品により皮膚を正常に保ちます。

皮膚を弱酸性に保つことの重要性について報告されています。この研究ではリアルタイムPCRを用いた炎症性サイトカインの発現解析をしており、ケラチノサイトから分泌される炎症性サイトカインであるIL-33、IL-1β、Th2、IL-4やコラーゲン分解に関与するMMP-9、および Th2 細胞から分泌され、かゆみに関連するIL-31の有意な減少が確認されています。

引用;アトピー性皮膚炎における皮膚pHと皮膚バリアとの関連性に関する研究

 

②角質ピーリング作用
コルネオデスモソーム分解促進による角質剥離作用を示します。それにより皮膚のターンオーバーを正常に保ちます。

皮膚のターンオーバーについてはこちら

ピーリング治療としてどうなのか?

東洋ではグリコール酸によるケミカルピーリングが行われていますが、その剥離範囲はvery superficialもしくはsuperficialであり、 尋常性ざ瘡の治療にはよい適応ですが、メラニン色素沈着の治療成績は満足いくものではありません。

適正濃度とpHについて

グリコール酸の皮膚刺激性は濃度依存性ではなく、累積刺激に起因すると考えられています。pHが低いほど一次刺激性と累積刺激性が高くなると報告されており、またスティンギング反応(刺すような刺激)も示しやすくなります。

引用https://cosmetic-ingredients.org/exfoliant/1117/

まとめ

皮膚のターンオーバーを正常に保つことがいかに重要であるか解説しました。ピーリング剤に代表されるグリコール酸を使用することで皮膚を正常に保ちます。必ずしも濃度が高いのが皮膚刺激性が強いとは限りません。濃度の選び方としては低い濃度から始め、20%以下で肌に合うものを選んでください。