脱毛

脱毛機種毎の効果の差について

脱毛機種の機能差について

現在市場にある脱毛レーザーにおいては、いずれも十分高い減毛効果が示されており、機種間に大きな差はないです。

1) Handrick C, Alster TS. Comparison of long-pulsed diode and long-pulsed alexandrite lasers forhair removal : a long-term clinical and histologic study. Dermatol Surg 2001; 27: 622-6.

2) Eremia S, et al. Laser hair removal with alexandrite versus diode laser using four treatment sessions : 1-year results. Dermatol Surg 2001; 27: 925-9; discussion 929-30.

3) Galadari I. Comparative evaluation of different hair removal lasers in skin types IV, V, and VI. Int J Dermatol 2003; 42: 68-70.

4) Bouzari N, et al. Laser hair removal : comparison of long-pulsed Nd:YAG, long-pulsed alexandrite, and long-pulsed diode lasers. Dermatologic Surg 2004; 30: 498-502.

5) Rao J, Goldman MP. Prospective, comparative evaluation of three laser systems used individually and in combination for axillary hair removal. Dermatol Surg 2005; 31: 1671-6; discussion 1677.

6) Toosi P, et al. A comparison study of the efficacy and side effects of different light sources in hair removal. Lasers Med Sci 2006; 21: 1-4.

論文による評価の問題点

上記で記載したように、レーザー機種ごとに大きな差は無いと言いましたが、実際はレーザー脱毛に関する論文の多くが、対象となっている被験者は女性で、部位は腋窩や下腿であることが多いことから、選択バイアスが介入しています。

男性のひげや背部では機種間の性能が大きく関わる場合があります。具体的には短波長よりもYAGレーザーやDiodeレーザーなどの長波長の方が高い減毛効率を得られていることが知られています

論文で波長の違いによる減毛効率を比較検討する場合、波長以外の因子(パルス幅、フルエンス)を統一するのが基本です。しかし波長によって毛母細胞などへの吸収率に差があり、同じフルエンスで照射しても、減毛率に差が出てしまします。機種によって冷却時間も異なるため、パラメーターを1つずつ比較することは事実上不可能となります。

脱毛効率を上げるためには

波長を切り替える

複数の波長を切り替えることで様々なスキンタイプや脱毛困難な部位に対応することが可能となります。特に1064nmと755nmは両者の弱点を補います。最近では複数の波長を同時に照射することが可能な機種もあります。これにより複数の波長の長所を生かすことができています。

難点は波長毎に別のレーザー媒体が必要となるため、クリニック側の初期費用が高額になることです。

大照射口による脱毛を行う

最新機種であれば、最大9cm2程度の照射口も選択できます。照射面積が大きいと、低フルエンスでも深部へ高エネルギーを届けることができるため、表皮熱傷の危険性が少ないと言われています。照射面積が大きい分脱スピードは上がります。

ただし、照射面積が大きくなると、いくら低フルエンスでの照射でも総エネルギー量が大きいので、フルエンスがわずかに上昇しただけで痛みを生じます。

引用;Theoretical considerations in laser hair removal

蓄熱式脱毛を行う(痛みが弱い方)

痛みが強く脱毛を継続できない方に各クリニックがおすすめしている脱毛方式です。そもそも蓄熱式脱毛の正式な定義はありません。短い間隔で連射するので熱が溜まっていく仕組みのことを言います。蓄熱式ではない脱毛は1発のパルスレーザーで毛に熱を与えて、毛根の細胞を熱壊死させます。蓄熱式はそれを低フルエンス(大体5〜12 J/cm2、7〜10Hz)で断続的に何発かのレーザーを連射してエネルギーを蓄積させ、毛根を破壊するよ脱毛方式です。

何発かレーザーを重ねてエネルギーを与えるので1発あたりのエネルギーは少なくて済むので痛みは少なくなります。ただし2発3発と照射している頃には1発目の熱エネルギーはどんどん周囲に逃げていくので投入する合計のエネルギー量はかなり大きくなり、周囲組織の熱損傷は同等以上になる可能性があります。

ただし術者の手加減により良くも悪くもなり得ます。

痛みの違い

IPL<Alex<Diode<YAGと言われています。