米国のFDAはレーザー脱毛機の承認を出すときに、永久脱毛(permanent hair removal)という言葉を使わずに永久減毛(permanent hair reduction)という言葉を使っています。 日本の厚労省も今のところこれにならって「長期的な減毛」という言葉を使っているようです。「レーザー脱毛は毛を減らすだけで永久脱毛できない」 ということではなく、言葉の定義上、永久と表現できないからです。「永久脱毛」が成立すると言うためには、毛が1本もなくなってそれが「永久に続く」ことを証明する必要があるからです。しかし、実際に「永久に続く」ことを証明するためには脱毛した患者さんを永久に経過観察して毛が1本も生えないことを証明する必要があります。これは現実的には不可能なため、永久減毛または長期的減毛と表現することが、どう転んでも間違いない表現となります。
どうしたら毛が生えなくなるのか?
毛にレーザーを当てた後は次のどれか1つだけの反応を示します。
①何も起こらない:与えるエネルギーが小さすぎると毛は何も反応しない。
②毛の一部が焼けるだけ:皮膚から出ている毛幹だけ照射されてしまえば毛の成長は止まらない。
③ショックロス:毛根は何か大きなショックを受けると休止期に入ってしまう。癌の化学療法を受けると脱毛するのはこれが原因である。毛根自体は損傷を受けていないので、6~9ヶ月後に再び成長期に入って発毛する。一旦脱毛が成功したように見えて半年から1年後にまた戻ってしまうのはこれが原因である。
④毛根やバルジ領域の熱破壊(永久脱毛):熱で破壊されると永久に毛の産生はしない。
➡️全ての毛が④の反応を示すまで脱毛を繰り返すことで永久脱毛を目指します。
葛西 健一郎.基礎から学ぼう 医療レーザー脱毛入門.2021:vol.1:36:135
バルジ領域について
皮脂腺と毛包上皮性幹細胞が存在する領域。毛包上から1/3辺りに位置する。
一度脱毛した毛はもう生えないのか?
破壊された毛根からは二度と毛は生えないです。しかし、見かけ上脱毛に成功したように見える毛がショックロスによって休止期に入っていた場合は、6~12ヶ月後に生え始めます。
ショックロスとは?
毛根は何か大きなショックを受けると休止期に入ります。癌の化学療法を受けると脱毛するのはこれが原因です。毛根自体に損傷を受けていないので、6~9ヶ月後に再び成長期に入って発毛します。一旦脱毛が成功したように見えて半年から1年後にまた戻ってしまうのはこれが原因です。
引用;葛西 健一郎.基礎から学ぼう 医療レーザー脱毛入門.2021:vol.1:41:135